「放バッテグラフ」
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1.セットアップ方法

1)ドライブの調査

「放バッテグラフ」(以下、「ソフト」という)でSDカードのデータを読む場合にはSDカードのドライブ名と、対象ファイル名(4桁の数字)が必須です。
SDカード無しの状態で、SDカードをした時に"f: "が出る状態と、SDカード内のデータの状態を示します。



2)ソフトのインストール

「放バッテ」に添付されているSDカードに「ソフト」が入っています。インストールは「ソフト」を任意の場所にコピーするだけです。
この場合、"c:"の中に"Houbat"というフォルダーを作り、コピーした後に、更に使い易いようにショートカットをデスクトップに置く手順を示します。


3)起動からデータ保存

「ソフト」をダブルクリックするとExcelに組み込まれたプログラムが動き、入力画面が出ます。
(ソフトを起動する前に他のExcelファイルは全て閉じてください。)
入力値が報告書のどの位置に書かれてくるか、また、その結果の保存法を示します。
この例ではデスクトップに"demotest.xlsx"として保存し、それを開いています。


4)基準設定

劣化度を自動で計算するために新品時の容量(時間)を設定、その設定法です。
初期値は"60分"になっていて、それを"52分"に変更すると以降の基準値は"52分"となり、劣化度もこれが基準となります。



5)セキュリティ解除法

放バッテグラフを起動した時にExcelのセキュリティ設定によりプログラムが動作しない場合の対処方法です。

2.報告書イメージ



「放バッテグラフ」は、「放バッテ」でSDカードに記録したデータを元に放電カーブを描き、報告書にするソフトです。
SDカードをパソコンに挿入して、ソフトを立ち上げると、[メニュー]が出ますので、SDカードのパソコン上ドライブ名とファイル名(上図では"f:"と"0045")を入力します。
それ以外のデータは任意で入力します。入力後[実行]をクリックすると、瞬時に報告書ができあがります。

3.特徴

1.「Microsoft Excel」をベースに使用しているため、報告書の一部を自社用に変更可能(社名・メモを入力する等。ただし、行と列の挿入、削除と変更は厳禁)。
2.ファイル場所とファイル番号を入力し実行ボタンをクリックするだけで館単に基本報告書ができる。
3.気温を入力すると、自動で25℃換算の温度補正係数とその数値と、実放電時間、換算後放電時間が計算がされ、全データを見なくてもバッテリー容量が分かる。
上図では、28.5℃を入力し、補正係数が0.97になっている。
4.新品25℃の標準時間(上図で"0:40:00")を設定すると、温度補正後の劣化度(上図で"94%")がわかる。。
5.放電開始から終了までの放電エネルギー(上図で”1.6AH")が分かる。
6.グラフ作成結果はシステムと独立しパソコンのデスクトップに新BOOK(1)として作成される。それらを任意の場所に、新しいファイル名を付け保存することができる。


(複数のテストを行う場合には、SDカードに自動でファイル名(番号)が記録されるため、そのファイル名を指定すると、連続して報告書が作成できる。
「別のグラフを作りますか?」で「はい(Y)」として、ファイル名を変えれば、そのファイル毎の報告書ができる。)

4.入力(メニュー)

(メモ欄以外はすべて半角で入力してください)
①SDカードのドライブ”f: “を入力(必須)。
②該当ファイル名”0045”を入力(必須)。
③気温”28.5”を入力(任意)。
④測定日”10/25”を入力(任意)。
⑤測定時刻”14:03”を入力(任意)。
⑥メモとして顧客等の参考情報を入力(任意)。

5.出力(報告書)

1.①から⑥は入力したデータのままです。
2.⑥は追記と編集ができます。
3.(a)は、気温28.5℃に対するソフトの補正係数(0.97)
4.(b)は、補正前の実放電時間(38分45秒)で、その下行(75%)は、基準時間[52分(c)]に対する比率(劣化度)です。
5.(d)は、(b)×(a)で計算される補正後の放電時間(37分29秒)でグラフはこの数字を基にしています。
6.(e)は、基準時間[52分(c)]に対する比率(補正後劣化度)です。
7.(f)は、放電開始直前の電圧です。
8.(g)は、放電開始1秒後の電圧÷抵抗値(j)で計算された電流値です。
9.(h)は、放電の平均電流で、毎秒の電流値[電圧÷抵抗値(j)]を放電時間(b)で平均化しています。
10.(i)は、総放電量で毎秒の電流値×[(b)秒]÷3,600(秒)として時間計算しています。このテストバッテリーは、2.3AH(10時間率)仕様です。
1.6AHとなった理由は高速(1C以上)で放電したためです。
11.(j)は、出荷時の抵抗体により当社で設定した抵抗値です。抵抗体のばらつきが+-5%程度あります。
計算精度を良くするためには、「ソフト」の設定値の変更が必要ですが、操作を間違えるとソフトが動かなくなるため、当社に相談をしてください。
12.(k)(c)は、下記の「基準設定」で変更するデータです。
13.(l)は、このソフトを動作させた時の日時です。「放バッテ」には時計が無いため、テストの日時はメモを取っておいてください。

6.基準設定

上記「メニュー画面」の「設定」(A)をクリックすると、「STDTime」という画面に変わります。
ここで、バッテリーのモデル名と新品満充電時25℃での放電標準時間を入力して、「OK」としてください。
使用バッテリーと抵抗体により異なるため、初期登録値は60分となっていますので、劣化度計算をする場合は必ず設定をしてください。

7.温度補正

バッテリーの能力は温度と放電速度に左右されやすいため、本体抵抗に合わせた独自の2次関数(図1)にてJISで定められた25℃を基準とした温度補正ができる様にしてあります。
補正が効き過ぎの場合には、温度を実際の気温より25℃に近い温度を入力するとより正確に補正できます。温度は小数点入力も可能です。

8.時間率と容量の実験

測定バッテリー:小型バイク用のST4B-5(2.3AH 10時間率)
充電装置:定電圧電源で、電流を制御しながら充電
放バッテ:抵抗値を4.83Ω(1.1CA)と58.5Ω(10時間率)にして測定
基準(100%)時間:40分に設定
SDカードのドライブ: f:
ファイル名:0045
結果:2.3AH(10時間率)仕様のバッテリーを1.1CAで測定したところ、1.6AHであったが、0.1CA(10時間率)で測定したところ、総放電容量が2.3AHとなり、正確に測定できた。

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